医学部入試塾長に聞く

HOME » 医学部入試塾長に聞く

医学部入試塾長に聞く

入試を突破するため、だけではなく
“未来のため”の力をつけていきたい

【医進塾】が開校してから5年になりますが、今年の受験では“合格率100%”を達成することができました。入試をめぐる環境が年々変化していく中で、生徒たちは本当によくがんばってくれたと思います。また、講師の先生方の力も大きかったですね。丁寧に、熱心に指導していただいたからこそ、これだけの成果に結びついたのだと思っています。医進塾の歴史はまだまだ浅いですが、間違いなく年々良くなっている、進化していると思います。

 そもそも私が医進塾の塾長をお引き受けしたのは、60年あまりの伝統をもつ早稲田ゼミナールが、ぶれずに“いい教育”を続けてきたからです。医学部・獣医学部志望者を対象にした予備校には、実際のところは学費ばかり高くて内容はひどいところも多く存在しているのが事実です。でもここは、一貫して受験生を親身に応援してきた歴史の延長線上にある塾。だからこそ、私はここで教鞭を執ろうと思ったのです。

 その時に私が思ったことは、“英語のできるドクターを育てよう”ということ。30年以上いろいろな学校で教壇に立ってきましたが、そのノウハウをすべてつぎ込んで、“未来のために”教えようと思いました。

 私は受験のための勉強を否定するものではありませんし、文法や語法を軽視しているわけではありません。でも、合格だけを目的にする指導ではなく、入試はもちろん、“その先”でも役に立つ「生きた英語」を生徒たちに教えていきたいのです。

 ある時、長文読解の授業をしていたら、生徒の1人が「まるで現代文の授業みたい」と言いました。まさにその生徒の言う通りで、同じ言語ですから、英語で書いてあるからといってすべて正しいことを言っているわけではない。分からないことは分からないわけです。英語でも日本語でも、そういう読み方をしてもらいたいのです。

 これからのドクターは、ますます英語が必要になってきますし、将来論文を読むときに客観的に読むことが大切です。だからこそ、その時に備えて、今から“未来のための力”を身につけてほしいと思っています。

医師としての未来を見据えた
コミュニケーションプログラムがスタート

 医進塾は毎年進化しています。その1つが、今年度から正式な授業として取り入れることになった【コミュニケーションプログラム(CP)】です。

 今や、医学部・獣医学部の入試では面接が欠かせないものになっています。1対1はもちろん、例えば、聖マリアンナ医科大学の推薦入試では5~6人でディスカッションさせ、試験官がその様子を見ているという試験が課せられます。こういう試験では話しすぎてもダメですし、逆に話さなくてもダメ。日頃から訓練していないとできないと“お手上げ”の試験と言えると思います。

 しかし訓練と言っても、これはなかなか指導しにくいものです。そこで、私が以前関わったある大学の臨床心理実習での「ミーティングマネジメント」を研究し、会議のやり方のノウハウを応用して受験生に指導したのですが、これがとても良い結果を生みました。

 医療の現場は“人間対人間”のコミュニケーションが大切ですから、相手に何をどう伝えていくかは、なにも入試だけでなく医師として極めて重要なスキルになります。ただ自分の意思を伝えるだけでなく、相手にどう届いたか、どう思ったか、それを受けて自分はどうするのか。そういう技術は、短期間で習得できるものではありません。そこで、今まで個別指導で行ってきたプログラムを制度化したのです。

 その核となるのが「プレゼンテーション」です。人前で、あるテーマに従って「前段」を述べ、「本論」を展開し、「結論」を導く。この流れを何度も繰り返してこそ、面接で本当に役立つ力になります。

 ある予備校では入試直前に面接対策をするそうですが、そこで予想問題をいくら訓練しても、本番でテーマが違ったら終わりです。私たちが取り組んでいるのは、そうした付け焼き刃の力ではなく、言いたいことがきちんと言えて、相手の反応を把握し、意思を伝え合うこと。それをマスターしておけば、入試のテーマが変わってもすぐ対応できますし、医師に大切な人間形成にもなる。入試のためはもちろん、“医師としての未来のため”のプログラムなのです。

 毎日の授業(座学)と、人と人が向き合う時間(コミュニケーションプログラム)と、iPadなどのインターネット機器を使った授業などを組み合わせて総合的な力を養うのが、医進塾の進化だと思っています。

“未来からの声”に応えるために
勇気を持って立ち向かってほしい

 私はよく、医学部・獣医学部を志望する生徒に「どんな医師になりたい?」と聞きます。「○○科に行きたい」ではなく、どうなりたいか? が大切。入試は大切ですが、あくまでも通過点ですから、その後にどうなっていきたいのかということを見据えながら進んでいくことこそ重要です。

 だから、私たち医進塾は“合格を売る”などということは考えたこともありません。未来に向けて生徒たちと一緒に進んでいくために、未来を信じて堂々と歩んでいくために私たちがいるのです。

 国立大学では合計で10科目をこなさなければならないなど、入試を突破していくのは確かに大変なことです。でも、「医学部を受けるなんて大丈夫かな?」と思っていてはダメ。臆せず、勇気をもって進んで行ってほしいですね。

 なぜかと言えば、皆さんが医師になる10年後には誰が待っていると思いますか? そこには、将来の患者さんたちが待っているのです。そこは一刻を争う、命をかけた現場であるはずです。決してお金を儲けるためではない、“人の命を救えるか?”という場面なのです。

 だから、そんな“未来からの呼びかけ”に対して、勇気を持って立ち向かってほしい。未来からの声に応えてほしいと思うのです。

外山 恩 (とやま めぐみ)

青山学院大学・大学院で英文学・英語学・言語学・言語哲学専攻。

国際基督教大学・大学院で心理学、宗教哲学専攻。上智大学中世思想研究所で哲学・神学を学ぶ。日本医学英語教育会(JSME)会員。日本医療通訳者協会にて(J.E)会員。英検面接委員。英研1級。名前だけ見ると女性のイメージだが、実は柔道初段・空手2段の猛者である。

Copyrights(c) 2010 Wasedazemi All Rights Reserved.